■26 バーチャル取引おこづかいのアウトライン

 

次の3つの条件がそろってきたらバーチャル取引編の開始です。
・小学校卒業
・ドル円おこづかいに慣れてきた
・もっといっぱいおこづかいが欲しいといってきた

ならば、自分で稼ぎなさい!ということ。

だいたい高校生くらいからならバーチャル取引おこづかいに抵抗なく馴染んでいくはずです。

あ、ドル円おこづかいと併用でもOKです。

我が家では娘が中学校三年生の正月から
バーチャル取引おこづかいに切り替えました。
固定ドルおこづかいは卒業です。
つまり投資しないとおこづかいはゼロという形です。w
なお、息子は固定ドルおこづかいと、
バーチャル取引おこづかいの併用です。

 

  • 投資対象
    対象市場:東証1部、2部、JASDAQの上場企業限定とします。
    他の地方市場や海外市場(NYSE、NASDAQ)は、
    慣れてから検討します。

対象商品:取引は現物取引と信用取引。
できるだけ信用取引を推奨します。
現物と信用取引のみとします。
投資信託や金融派生商品は対象外。
”売り”から開始できる信用取引は
積極的に活用するべき取引です。

  • バーチャル取引の記録
    株式投資を、ノートで管理していくのもいいですが、
    当日の値洗いやチャートの読み込みが必要になるので
    投資シミュレーションサイトを使います。

    どれも無料です。

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  • ルール
    初期の現金保証金は投資金額は、1000万円。
    (多くの無償の仮想取引サービスはおおむね1000万円です。)
    子どもにとって1000万円はものすごい大金。
    仮想の金額とはいえ、
    これを株式市場に投資していくのですが
    最初はかなりの恐怖感があるようです。w

毎月1%の運用益を目指します。
月初に前月の運用益をチェックし、おこづかいを記帳します。

月末の投資時価評価で値洗いして
毎月1%の運用達成とするのが理想ですが、難しいですよね、

なので、投資元本1000万円の1%、
つまり毎月10万円の利益確定を目指す!
というわかりやすい形にします。

毎月10万円ずつ利益を積み重ねると年間120万円、
元本1000万円に対して年利12%を目指します。

一か月目の目標 1010万円
二か月目の目標 1020万円
三か月目の目標 1030万円
四か月目の目標 1040万円
五か月目の目標 1050万円
:     :
月初に前月の運用評価を実施。
おこづかいの支払額を次のようにします。

10万円未満の運用益または損: 当月のおこづかいはゼロです。
10万円以上の運用益: 超えた分の5%をおこづかいとし、最大値は1万円とします。
ドルベースで換算しドルおこづかい帳に記載します。

四か月目の目標 1040万円 のときに・・・
月末評価金額 1020万円 => おこづかいなし
月末評価金額 1039万円 => おこづかいなし
月末評価金額 1050万円 =>(50万円-40万円)x5%=5,000円
月末評価金額 1100万円 =>(100万円-40万円)x5%=30,000円 => 最大値の1万円

円をキャッシュで子どもに手渡しは避けてください。
まずは円ドルレートを確認し、ドル入金を記帳させます。
そのうえでドル出金させる習慣をつけてください。
おこづかいなしの場合でも入金ゼロドルと記述してください。

最大値の1万円はキツイというあなたへ。
だからこそ入金を一度ドルこづかいい帳に記載するのです。
その上で引き出し制限を設け、
たとえば月10ドルまでと決めておけば、
親の懐には影響が小さくなります。
これは、クレジットラインという考え方で
金融の世界ではよく使われる手法です。
■27 バーチャル取引おこづかいの効能と発展形

株式で得た運用益をドルで記帳していくので、
ドル円おこづかいの効能は引き続きありますね。
・社会ニュースへの関心度アップ
当然ですが、ドル円レートに敏感になります。
いままでまったく興味を持たなかったTVのニュース内で、
今日の為替は・・・というキャスター発言に
過剰反応するようになります。 w

・疑問をもつきっかけ
ドル円レートは日々変化するものなのだということに気づきます。昨日よりXX銭円安になった、
いまおこづかいの残高がXXドルあるので
XX円おこづかいが増えた!/減った!
という会話をしてください。
そのうちなぜ為替が変動するのかが疑問を持ちます。
加えて・・・・・

・商品名ではなく企業名に興味を持つ
コンビニにいくと商品ラベルを見る癖がつきますね。
グミのメーカーが明治だ!とか、
世界のKitchenがキリンだ!とか、
なぜか楽しそうにしています。

同じ飲み物ならこのメーカー(自分の保有銘柄)にしよう!とか、
バーチャルなのになぜか気を使っています。
最近学校でXXXゲームがはやっているのでガーラ買い!とか、
親父の想像を超えた銘柄に注文いれています。

・商品の中身に興味を持つ
商品から企業名を興味持つと、
その奥側に興味を持ち始めます。

この商品の材料は?
その材料メーカーは?
っと視野が広がっていきます。

パンなら小麦、小麦メーカーは日本にない、
世界から仕入れているのは商社、
商社といえば・・・的な発想ですね。

・世界視点を持つ
例えば上の流れでいうと、
小麦って世界のどこで作られているんだっけ、と、
問いかけると積極的にネット叩いています。

カルフォルニアで干ばつ発生とか、
そんな事象からどの商品に影響でるのかなとか
天気予報ニュースも子どもたちの興味関心度があがりますね。

また、ISIL、クリミア、ギリシャなど
世界的なニュースに関心がでてきます。

おかげで我が家では、
新聞・ニュース番組はほっておいても見ていますね。

・チャートを読めるようになる
最初は解説が必要ですが、
月足・週足・日足のチャートを見比べながら、
トレンドはこう、上限はこのあたり、いまならいける!とか
いっぱしの投資家のような会話をしてきます。

バーチャルにしても、
買うか売るかのエントリーには、勇気がいりますよね。
親に意見を求めてきますので一緒に考えましょう。

・売りからエントリーできるようになる
信用取引を最初から推奨します。
現物買いからしかエントリーできないとすれば
投資の幅は極めて狭くなります。

我が家の子どもたちに、

普通は現物買いからしかエントリーできないんだよ!っと
話したところ、声をそろえて

”ありえない!それじゃあ怖すぎる!” っていってました。w
”株価は上がるより、落ちるほうが早いんだよ”っと。
大したものですよね。

・親子のコミュニケーション
親であるあなたが、株式市場に経験がないならぜひ、
親子で参加してみてください。

あなたは子どもより年齢を重ねている分、
子どもたちより企業名や商品名は知っているはず。

もっともそれを知っていたとして、
株式市場で勝てるかどうかは別もの。

けれど子どもたちは、親に勝とうと必死になります。
なぜその銘柄を選んだのか、チャートはどうなのか・・・・
話題には事欠かないはずです。

 

 

  • ルール
    このバーチャル取引で、慣れ親しんだら、
    いづれ本当の株式取引に参入してください。

    初期費用は・・・
    運用益で溜まったドルおこづかいを
    円に換えてそれを元手に実際の株取引をやるもよし。

    いきなり高額は怖いというなら
    ミニ株取引からいくのもいいでしょう。

    大丈夫、金融知識と経験値は充分についたはずです。

    2016年1月からこどもNISA受付開始ですよ。w

 

■28 バーチャル取引おこづかいの意味
運用の目標は、月利1%。

月利1%を毎月複利で回すと、年利12.7%。

年利12.7%ならば元本を2倍にするのに
72÷12.7=約5.7年になります。

たった月利1%なので元手1000万円ならわずか10万円です。
ところがこの1%を毎月達成するのはかなり至難の業なのです。

年利12.7%を達成は・・・一流ディーラー並みの運用効率。

どこの金融機関でも、即採用!ってことになります。
それだけ難しいのです。

なので、毎月おこづかいを
(実は)払わなくて済む可能性が大きいのです。

仮に、(ルールにもよりますが)大勝ちして10万円相当の
おこづかいになっても必ず記帳してあげましょう。
そのために、引き落とし上限(クレジットライン)は
必ず設定しておきましょう。

おこづかいの額そのものに目を奪われないでください。
子どもたちに金融教育し金融知識を
身につけることが目的なのですから。