■06 あなたのお金に対するイメージを変えよう

あなたの子供たちに金融教育をはじめる前に、まずやることは、
あなたのお金に対するイメージを整えることです。

子どもは親の鏡といいますね。
真っ白いキャンパス状態である子どもたちにどんな絵を描くか。
それは親であるあなたの考え方次第です。
いくらきれいごとを口にしていても、
性根というのはどこかににじみ出ます。

お金は汚いと思っていませんか?
投資はギャンブルだと思っていませんか?
投資は危険だと思っていませんか?
借金は悪だと思っていませんか?

以上のイメージを、親であるあなたが持っているならば
まずはそこを変える必要があります。

 

■07 お金は汚いと思っていませんか?

 

なぜか日本人はお金を嫌いますね。
金持ちを見ると悪いことしているに違いないだとか、
投資の話をしているとあいつは守銭奴だとか。

 

清貧こそが素晴らしいなんていう人もいますね。
この言葉は、汚富、つまり富むことは
汚いと思っている裏返しでしょうね。
富を築き徳を与えている人・企業があるというのに。

そんな投資にうつつを抜かさず、働いて稼げという人もいます。
世の中には働きたくとも働けない人もいます。
安い賃金でしか働けない人もいます。
そんな人は、わずかな稼ぎで
人生を終えなければいけないのでしょうか?
ピケティ博士がいう資本主義は
貧富の差を広めるという指摘に無防備なままでいいのでしょうか

私は、子どもには豊かに幸せになってほしいと思っています。
お金そのものに、きれいも汚いもありません。
しいていうとお金は心の鏡なのでその人の金銭感覚によって
きれいにもきたなくもなります。

 

■08 投資はギャンブルだと思っていませんか?

 

投資だって?為替とか株とかだろ。
それって、ギャンブルだぞ という人がいます。
そう思っている人にとって、投資は間違いなくギャンブルです。
そう思うならばやめたほうがいいです。

投資をおすすめできるのは、
・ギャンブルと割り切って楽しめる人
・ギャンブルじゃなくコントロールできる人
だけがやるべきです。

子どもたちへの金融教育は後者を目指しています。

そもそも投資は社会的にとても重要な行動です。
投資を否定するなら、
金融機関の存在を否定しなければなりません。
投資を否定するなら、
株式会社の存在を否定しなければなりません。
つまり、資本主義そのものを否定しなければなりません。

 

明治時代、渋沢栄一をはじめとした偉人が銀行を設立しました。
銀行では、多くの債権者から短期・小口の資金を預かり、
滞留資金を確保した上で、長期・大口の貸し出しをします。
つまりあなたの預金は、
どこかに間接的ですが投資しています。

 

あなたのいま持っているお札をよく見てください。
お札には日本銀行券と書かれているはずです。

これは日銀が発行している有価証券という金融商品なのです。
外国為替するとわかりますが、円は立派な金融商品です。

仮に日本が崩壊すればあなたの円預貯金は
価値ゼロになるのです。

あなたは実は、生まれたときから既に投資家なのです。
ただその事実さえ気づいていない、
投資素人よりひどい無知な投資家。
インフレでお金の価値が下がる(つまり投資がマイナスになる)と
宣言されているにもかかわらず
耳を傾けていない無知な投資家なのです。

 

■09 投資は危険だと思っていませんか?

 

投資は危険です。全くその通りです。

投資ですので、お金が増えるときも、減るときもあります。
当然です。
お金が減るから危険というなら、全くその通りです。

 

私はバイクに乗りません。バイクは危険と思っています。
転倒して大けがをするリスクがあります。
事故って他人を傷つけたりモノを壊したりするリスクは
車より大きいと思っています。
けれどバイクが好きな人がいます。
バイク好きの友人からバイクの魅力について、
酒を飲むたびに教え込まれるのですが
バイクの免許を取るところまでいきません。
私は今頃、スノーボード始めました。
何度も転びました、痛い経験はざらです。
大けがするリスクもありますが、やめる気はないです。
転ばないとうまくいかないことを知っています。
どうするとコケないのか、どうコケるのが
いいコケ方なのかがわかってきました。

投資もバイクやスノーボードと同じです。
ある一定のレベルまでいかないととても危険です。
ある一定以下のレベルにいる時期を短くするには
知識と経験が必要です。

私の父が株式投資を好きだったこともあり、
私の投資経験は30年を超えます。

それでも、
若さゆえに、
無知がゆえに、
胆力がないゆえに、
何百万単位での金銭的大けがも何度もしました。

自分の子どもには自分が30年かかって身に付いたことを
1年で覚えて欲しいと思っています。

子どもたちにはその知識と経験を伝授し、
危険な下層レベルから
上位層へ早く確実にあげてあげたいと思っています。

金融教育は、まさにそのために実行しています。

 

■10 借金は悪だと思っていませんか?

 

借金は絶対にいけないと教え込まれていませんか?
住宅ローンでどうしても借りたとして、

借金はいっときでも早く返そうとしていませんか?
普通の人はなぜか盲目的に借金を避けるきらいがあります。
ただある一定の金融教育が身に付くと考え方は変わります。

借金は悪ではない、
借金をコントロールできないことこそが悪だということに。

親から莫大な借金を遺産相続しなければいけない時、

金融教育・知識がない人は
全額返済を目指すか、遺産放棄を選びます。

金融教育・知識をもっている人は
違う発想で考え、別の道を選ぶことができます。

 

この違いはとても大きいです。
“借金がある=借金できた”ということは、
見方を変えれば

“いい遺産”とみることもできるのです。