■02 子どもに金融教育をしよう!

あなたは子どものときにおこづかいをいくらもらっていました?
いまあなたに子どもがいるなら、
いくらおこづかいをあげています?
お年玉はどうですか?
日本以外の国でもおこづかいという考え方はあるようです。

おこづかいは、子供にお金の使い方を教える
いいきっかけであるのは確かです。

いくらもらって、そのお金の中でなにを買うか、
無駄遣いをするかしないか・・・
金銭教育という意味ではとても重要。

けれど、おこづかいを無償で渡すことに疑問をもってみてください。

毎月、無償で、定額のおこづかいを渡す・・・・
これは受け手の子どものほうからみると、
お金はもらえるものというイメージを植え付けることになります。
大げさにとらえるとサラリーマン養成を
やっているようなものじゃないでしょうか?

家庭によっては、
ノージョブ・ノーマネー(働かざるもの、おこづかいなし)とか
必ずお手伝いをさせるという考えもあるでしょうね。
けれど、それも毎月、無償で、定額のおこづかいを
渡すという考えの枠にとらわれているのです。

無償で、定額のおこづかいから、
成果報酬で変動のおこづかいへ。
おこづかいを使って経済や金融を実体験すること、
そして、おこづかいは投資で得ることを体験させて、
その過程で身につくことを私は金融教育と位置づけています。

金銭教育よりも金融教育を子どもたちに授けてみませんか?

 

■03 これからの日本の見通し

現在、日本の借金は1000兆円を超えています。
ある人は日本の財政破たんを懸念しています。
またある人は日本の資産からみると破たんしないといっています。

日銀や政府は、借金を減らすために、
いい悪いは別にして努力していると私は信じています。

ただ、間違いなくいえることは、
今の日本の負債は、確実に子供たちへと継承されます。
子どもたちは身に覚えのない借金を背負わされるのです。

消費税は8%から10%へと増税される予定です。
デフレを脱却し、
2%を想定したゆるやかなインフレを目指しています。
乱暴な説明をすると、
収入は毎年2%お金の価値が下がる一方、
支出は2%増えていくということです。

そんな時代に現金をもっているリスクを感じている人は
ほんの一握りです。
そして、まったくそのリスクを感じていないのは・・・
あなたの子供たちです。

近い将来、選挙投票権は18歳から付与されるでしょう。
政治に興味を持つために、
政治が社会に与える影響力を理解しないといけません。

政治と経済は密接な関係を持ちますし、
経済は家庭へも影響がでます。

経済はお金を重要な指標としています。
お金の力を身につけて邪魔になることはありませんね。

来る大人に備え金融教育を子どもたちに授けてあげませんか?

 

■04 これからの世界の見通し

世界規模で金融の量的緩和が進んでいます。
量的緩和というとピンとこないですね。
簡単にいうと、お金の量を増やしたのです。お金だけの量を。

米国ではサブプライム・ローン問題から
波及した金融危機に対応するため、
2008年11月~2010年6月に
量的緩和政策(QE)をおこないました。

追従する形で、日本は2013年4月から
日銀の異次元緩和という形で続き、

欧州も今年2015年になって量的緩和の実施を発表しています。
そして中国も参戦する様子。

世界的規模で流通するお金は増え、
これからも増える見込みです。

増えたお金はどこに流れるか・・・

初陣を飾ったドルは米国から全世界へ流れていき
米国の景気回復に役立ちました。
泉をあふれる水は低きに流れるということ。
ところが、世界中のあっちでもこっちでも
水が噴き出すと、水が逆流します。
それが米国の景気回復につながります。
ただ世界的に水の量が増えるので、
水の価値そのものは低くなりますね。
これがデフレにつながります。

世界の人口は70億人を超えたようです。

これからの10年は、アジアの時代といわれており、
アジアの人口は爆発的に増えています。

人口が増えるということは、子供。若者の順で増えるということ。
アジアを旅するとわかりますが、子ども・若者であふれています。
近い将来、アジア人の上司の下で働くことも
別に珍しくないでしょうね。

そんな時代を子供たちは生きています。

 

フランスのトマ・ピケティ経済学博士が
2015年1月末に来日して大きな話題となりました。
ピケティの著書『21世紀の資本』は世界的なベストセラー、
日本でも関連本を入れると30万部以上を
売り上げているそうです。
書いていることはとてもシンプルです。

資本の利益率(r)> 経済成長率(g)

つまり、資本家はどんどんお金持ちになるけど、
経済成長≒労働者の富はあんまり増えない。

その結果、不平等が広がるといっています。

そして労働力はアジア中心にあふれかえっています。
そんな時代を子供たちは生きています。

英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの
研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授によると、
人間が行う仕事の約半分が機械に奪われるとのことです。

 

これだけITやインターネット、そしてロボットが増えると
単純労働は減っていくのです。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40925

 

単純労働といってもブルーカラーだけじゃないですよ。
弁護士助手や不動産ブローカーなどのホワイトカラーも入ります。事務員的な単純労働すべてがその対象になるのです。

人間は人間だけが持つクリエイティブな仕事を
担当せざるを得ない。
そんな新たなビジネスが台頭してくるのです。
つまり我々大人がまったく知らないビジネス。
そんな時代を子供たちは生きていくのです。

これからより競争の厳しくなる子どもたちに
金融教育を授けてあげませんか?

 

■05 子どもに金融教育は必要か

必要だと私は信じています。
そしてその金融教育は、学校では教えてくれないのです。

娘が中学校3年生の春、株式シミュレーションが
授業の一環でありました。
3か月間、5人でチームを組み、
仮想的に1000万円を運用してその結果を競うのですが、
教える先生が投資経験ゼロ。
How(やり方)は教えられますが、Why(投資の考え方)は、
当然教えることができません。

結果・・・・・

1000万円中100万円程度しか運用できないチーム。
3か月で5回程度しか投資運用できないチーム。
赤字銘柄を放置してしまうチーム。

はっきりいって、グダグダです。

教える先生が投資経験ゼロなので、
株式シミュレーションの操作方法(How)は教えられても
・3か月という期間限定な中で、なぜその銘柄を選ぶか
・評価損益が赤になった場合には、
・どのように考えるべきか
などの投資の考え方(Why)がまったく教えられません。

なので・・・結果発表は、当然、こうなります。

“面白かったです”  幼稚な意見
“勉強になりました” あたりさわりのない意見
けれどこれくらいは、まだましなほう。

恐ろしいのは・・・・

“株式は怖いと感じました”
“赤字はいやです”
“やっぱり投資はせず、堅実にいきたいです”
という意見。

これじゃあ、何のための教育でしょうか?
投資に対して、ネガティブにする教育にしか思えません。
前記したとおり、これからの時代の変化を見据えると、
金融知識は絶対必要条件なのに。

子どもに金融教育は必要だと私は信じています。

余談ですが、これからの時代に必要な能力は、
  IT(特にネット),金融、英語
そして、それを発信する力が必須と信じています。

 

 

あなたの子どもはそれで大丈夫ですか?
先を見据えて子どもたちに金融教育を授けてあげませんか?